人と人、人と自然の素敵な関係

 北の里山の会(2000年5月設立)は、身近な森や林のことを考え、行動することを目的に、森と付き合うためのスキルを楽しみながら身につける活動を行なっている会です。

   会のフィールドは、札幌市内、里塚霊園近くの「有明おくいずみ都市環境緑地」(通称「有明の森」)。5ヘクタールの広さの里山には、暖かい南西斜面が広がり、カラマツ、イタヤやミズナラなどが生える広葉樹林となっており、四季折々の里山の自然を見ることができます。

 5月の晴れわたった空のもと、この「北の里山の会」の定例会(毎月第4日曜日)に参加しました。午前10時、有明の森の入口に「いつも」のように会員が集合し、例会が始まります。入口から森の中に50メートルほど入った、少し開けたスペースに、間伐材で作った丸太のベンチが「ロ」の字型に並び、奥には大きな炉があります。ここが、会員が集う会の活動の拠点です。

 里山でのこの日の活動を、代表の孫田さんが説明すると、「料理長」から昼食のメニューが発表され、活動が始まりました。まずは、「有明の森」入口付近の道路わきのゴミ拾いから開始、続けて行われたチェーンソー講習会が今月のメイン活動です。

 「北の里山の会」の会員は、年齢・性別・職業がとても多様です。また、例会には会員以外の人も参加できるので、初心者でも一緒に里山の手入れの活動をすることが出来ます。チェーンソー講習会では、仕事に慣れた会員が、里山の手入れには欠かせないチェーンソーの操作方法を教え、初心者は「有明の森」の間伐材を教材に使い方の練習をしました。練習でたくさん作った間伐材の輪切りは、森の香りのするコースターになりました。  

   チェーンソーにも慣れてきた頃、昼食を準備する音と香りに忘れていた空腹を思い出します。チシマザサの竹の子と大きな天然のしいたけを炭で炙り、ジンギスカン鍋には、「有明の森」で栽培したシイタケや、お肉やうどん、そしてウドも入ります。ウド入り焼きうどんはまさに春の味!昼食は五感で春を感じる時間でもありました。

 腹ごなしは、歩道のササを刈りながら、「有明の森」を散策します。よく手入れの行き届いた里山の林床には、光が緩やかに届き、春の花が咲いています。「これは、なんていう花?」、「これは・・・」自然に、参加者同士の交流が生まれ、里山がますます楽しくなります。この日は、テレビ取材も入りましたが、取材スタッフも初めての参加者も、最後には会の一員のように溶け込んでいました。
 
里山の住人も活動を始めました!

 「北の里山の会のとは?」という質問に、孫田さんは、「強制しない。いい加減。ほんわか。」、こんな風に表現しますが、「北の里山の会」は、ふっと気を緩めて自然や人と付き合える時間と空間を共有できる素敵な会でした。(薗田)


「北の里山の会」代表、孫田敏さんから一言

北の里山の会はなぁにっていわれたら、なんていったらいいんでしょうか。大人の林間 学校でもあるし、森のサロンでもあるし…。まぁ、あまり 小難しい理屈は抜きにして、森の気持ち良さを味わいたいと持っています。「目指せ、 記憶の彼方のトム・ソーヤ」ってとこですかねぇ。

森の中でテレビ取材を
受ける孫田敏さん


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