会員紹介


 



日高山脈ファンクラブ
[015] 2007.06UP

 日高最高峰の幌尻岳が日本百名山の一つに選ばれ、登山者が急増したことで生じてきた山岳環境問題を、登山者自身で解決していくために2000年に設立しました。幌尻山荘の周辺や七つ沼カールには、ごみ、残飯、登山者の排泄物の放置が大きな環境問題となってきています。登山口周辺の登山者の駐車が、緊急時に救急車の交通障害になった例もあります。また登山客が持ち込んだと思われる、帰化植物の侵入も問題になりつつあります。日高山脈ファンクラブでは、日高山脈の自然を次世代に引き継いでいくため、現状を調査し、改善のため活動をしています。

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 同会では、幌尻岳を拠点にした入山者数調査、登山者意識調査、幌尻岳清掃登山、北海道大学大学院生との共同による幌尻山荘付近の土壌・水質の調査などを実施し、「日高山脈・幌尻岳の山岳環境と持続可能な利用についての提言」をまとめています。また、関係機関と団体からなる幌尻岳山岳環境検討委員会を主導して設立し、行政と共に、山岳環境保全と持続可能な利用について長期的な視野にたった、計画の検討をはじめています。

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  2005年、2006年に幌尻山荘の排泄物を汲み取って人力で下ろす、「排泄物汲み降ろし登山」を実施。排泄物を一斗缶に詰め、中身だけで21キロほどある糞便を背負って渡渉し、ふもとの平取町の便槽に移しました。この活動の甲斐あって、2005年に林野庁がバイオトイレを設置、2006年に小型水力発電施設を設置して電源を確保、2007年度から稼動予定です。幌尻岳登山口の簡易トイレ設置も実現しました。
  その他、国立公園化に向けた検討と講演会、登山者に環境問題を啓発する『幌尻岳安全・マナーガイド』製作、写真展、観察登山会などを実施しています。また地元の方に活動を理解してもらい、協力を得て共に地域の自然を守っていくため、平取町で「幌尻岳フォーラム」を開催しています。

幌尻山荘排泄物人力担ぎ下ろし活動
幌尻岳清掃登山


幌尻岳焚き火跡



団体データ

●名称
日高山脈ファンクラブ
   詳しくは→ 会員団体概要

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