会員紹介


 



認定NPO法人 霧多布湿原トラスト
[003] 2005.06UP

 1993年にラムサール条約にも登録された霧多布湿原は、約3,100ヘクタールの国内で3番目に大きな湿原で、その豊かな植生や美しい景観から国内外から価値が認められています。その一方で、霧多布湿原の周辺部はほとんどが民有地に囲まれており、その面積は約1,200ヘクタールにも及びます。
 こうした状況をふまえ、1986年に民間有志の力で「霧多布湿原ファンクラブ」の活動をスタートし、借地契約による湿原の保全を開始。2000年には、その活動をより確かなものとするために、「NPO法人霧多布湿原トラスト」を設立し、湿原周辺の民有地を買い取り、公共の財産として保全を図る活動を推進しています。

 2004年には「認定特定非営利活動法人」にも認定された現在は、主に、
●霧多布湿原を保全する活動
 ...ナショナルトラストによる民有地の買取り
●地域の自然や壊れた湿原を再生
 ...環境や動植物の調査、湿原の生態系や景観の再生修復の実施
●霧多布湿原のファンづくり
 ...交流や環境教育を通じた湿原や自然のファンづくり
の3つの活動を軸に、運動を推進しています。

そんな霧多布湿原トラストの理事長を務める三膳時子さんは、ここ霧多布の生まれ。子どもの頃は、湿原に花が咲くのはごくごくあたりまえのことで、湿原の魅力には気づかなかったといいますが、他の土地からやってきた人たちと会って話すうちに、湿原が財産であることを知ったそうです。
 「13年続いた“霧多布湿原ファンクラブ”での活動の継続が、現在の大きな土台となっていますね。当時は、通称“ありがとう方式”といって、地代もお支払いせずに土地をお借りしていましたが、そのときの基金の積み立てや、そして多くの人たちと出会ったネットワークは、本当に貴重なものです。今でも、このインフォメーションセンターにお越しになった方とお茶を飲みながら話ができるのは本当に楽しいですし、この継続があったからこそ、地元の方々にも関心を示していただけるようになりました。」
 また、副理事長の瓜田勝也さんは、霧多布湿原トラスト インフォメーションセンターの隣の“ペンション ポーチ”のご主人。ここは、霧多布湿原の自然観察ツアーのベースにもなっています。
 「霧多布湿原トラストには、漁師さん、酪農家、行政の人など、ここ浜中町の産業を支える方々にもたくさん携わってもらっています。地域の人たちが一丸となって、湿原だけでなく、霧多布湿原のまわりの環境が生む産品の魅力も伝えていきたいですね。」
 霧多布湿原トラストでは、会員向けに発行するファンクラブ通信『きりたっぷ湿原』のほかに、月刊でニュースレター『きりたっぷ湿原』を作成、浜中町内の新聞に折り込み、地元の方々に配布しています。

(2005年6月取材の内容です)


琵琶瀬展望台から望む、青空のもとに映える広大な冬の霧多布湿原


霧多布湿原を歩いて、その魅力を体で感じることができる木道


理事長の三膳さんと、湿原を目にしてお茶が飲めるインフォメーションセンター


インフォメーションセンター(手前)と、同じく湿原を目の前に望むペンションポーチ


団体データ

●名称
認定特定非営利活動法人 霧多布湿原ナショナルトラスト
                 詳しくは→会員団体概要

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